マガジンのカバー画像

吉田編集委員の取材後記

21
国内農業の取材を続けている日本経済新聞社・吉田忠則編集委員にる取材後記をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

どの分野にも共通のことではあるが【吉田編集委員の取材後記】

どの分野にも共通のことではあるが、制度をつくっただけでは多くの場合、物事はうまく回らない…

2

特別な技術を使い、奇抜なアイデアに頼るのではなく…【吉田編集委員の取材後記】

特別な技術を使い、奇抜なアイデアに頼るのではなく、「普通考えたらこうなる」というシンプル…

16

【吉田編集委員の取材後記】農業の取材をしていて、最近大切だと思うようになったのは…

農業の取材をしていて、最近大切だと思うようになったのは「低投入型」という考え方です。 い…

1

JA秋田ふるさとの前組合長【吉田編集委員の取材後記】

JA秋田ふるさとの前組合長、小田嶋契さんのお話はいかがでしたでしょうか。ぱっと聞くと、J…

1

農林中金総合研究所の平沢明彦さんにコメントを求めるようになってから【吉田編集委員…

農林中金総合研究所の平沢明彦さんにコメントを求めるようになってから、もう10年以上になる。…

1

農業はコンサルティングという仕事にとって難しい分野です

農業はコンサルティングという仕事にとって難しい分野です。助言すれば目に見えて収益が向上し…

農のミライPLUS
10か月前
7

「上農は草を見ずして草をとり、中農は草を見て草をとり、下農は草を見て草をとらず」【吉田編集委員の収録後記】

「上農は草を見ずして草をとり、中農は草を見て草をとり、下農は草を見て草をとらず」。今回のゲストであるサラダボウルグループの代表、田中進さんと話していつも思い出すのは、明代の中国の農書「農説」に由来するこの言葉です。 中農と下農に関するくだりはわかりやすいでしょう。田畑に雑草が生えてしまったとき、刈り取るかどうかの差を示します。ここでは刈るのが正解です。 これに対し、上農は解釈が分かれるかもしれません。普通に考えれば、まだ草が生えないうちに、土を耕して除草の手間を省くことなどを

太平洋戦争後の食料危機を脱し【吉田編集委員の収録後記】

戦後の食料危機を脱し、高度成長を迎えようとする日本で農業は大きな岐路に立っていました。食…

農のミライPLUS
11か月前

【吉田編集委員の取材後記】「できっこない」という見方を退け、新しいことに挑んで道…

今回のゲスト、井狩篤士さんが栽培している小麦「ゆめちから」は農業界や食品業界で「魔法の小…

農家にとって経営のバトンタッチは大きな課題です【吉田編集委員の取材後記】

農家にとって経営のバトンタッチは大きな課題です。たとえ会社形態に衣替えしていたり、従業員…

何をもって「成功」とするか~2023年7月

農業とその関連ビジネスについて15年ほど取材してきて、ずっと考えてきたテーマがあります。何…

【吉田編集委員の取材後記】第10回放送から

青果業者などが規格外の農産物を仕入れて販売することに対し、生産者の間には根強い反発があり…

【吉田編集委員の取材後記】第9回放送から

今回のゲストである横田修一さんに初めて取材したのは、もう10数年前のことだ。刺激を受ける…

【吉田編集委員の編集後記】いまから30年前…

いまから30年前、1993年に政府はその後の日本の農業に大きく影響する決断をしました。コメ市場の部分開放です。ガット・ウルグアイ・ラウンドと呼ばれる国際的な貿易交渉で、それまでずっと閉ざしてきた市場を開くことを決めたのです。農業界だけでなく、日本社会にも激震が走りました。 当時の日本の受け止め方は、「日本にコメを輸出したい米国による交渉」というものでした。米国が日本に市場開放を迫ったのは事実ですが、交渉全体の背景には食料供給に関するもっと大きな国際構造がありました。 米国