京都・坂ノ途中へ【杉本記者の取材後記】
「有機農業の担い手は、『隠れキリシタン』のように点在している」。有機野菜を農家から直接買い、個人向けに定期宅配する坂ノ途中(京都市)の小野邦彦代表取締役は、欧州などに比べてなお圧倒的少数派(耕地面積に占める割合は0.6%、2021年)に属する日本の有機農業の生産者をこう描写する。
坂ノ途中は設立から15年と、ベンチャーとしてはそれなりに社歴が長い部類に入る。取引農家は関西を中心に400軒ほど。契約している生産者のうち、およそ8割が新規参入組というのが特徴だ。環境への負荷を減