杉本記者による取材後記です。
国内農業の取材を続けている日本経済新聞社・吉田忠則編集委員にる取材後記をまとめました。
番組制作スタッフAのつぶやき
ラジオNIKKEIメンバーで「バケツ稲」をはじめました。
「農のミライ」配信情報をまとめました。
はじめまして! ラジオNIKKEIで配信中の『農(アグリ)のミライ』と申します。 番組やプロジェクトと並行してnoteも始めることとなりました。 タイトルはズバリ『農のミライPLUS』です! 番組では語りつくせないストーリーをちょこっとプラスしてnoteで発信していきたいと思っています。それとともにこちらでたくさんの方と交流していけたらなと考えています。 末永~く宜しくお願いいたします! 『農のミライ』ってなんなの?こちらを読んでいただいている方の中には『農のミライ』をすで
「2050年には、『スマート弁当箱』に3Dフードプリンターが入っていて、個人が持ち歩く日が来る」。19世紀に発明された電話が20世紀後半に固定電話から携帯電話に置き換わり、21世紀になるとスマートフォンを肌身離さず持ち運ぶ人が主流になった。それと同じような破壊的イノベーションが、この先20年ほどで食にも起きるかもしれない。 山形県米沢市、JR米沢駅から車で約10分。山形大学工学部の古川英光教授の研究室を訪ねると、さながら家庭科の調理実習室のような空間で、開発中の3Dプリンター
「おせち料理は元日に食べなくても、オードブルととらえればゆっくり楽しめるはず」。ロスゼロ(大阪市)の文美月代表はこう語り、商標登録もした「おそち」と呼ぶ商品を年末年始に販売している。日本の正月の食卓を彩るおせち料理だが、縁起物としての性質上、メーカーや販売業者も万一の場合を考えて多めにつくり、在庫も手厚く用意する傾向があるという。しかも、ひとたび三が日を過ぎるとたちまち価値を失うことから、実際には一定数が廃棄処分となっているのが実情だ。 そのおせち料理もいまは冷凍品が主体で、
「僕は教えるのが好きなんですよ。地元の方が継ぐということになれば、ここに来たかいも本当にあったと思う」。2020年に北海道の旭川空港近くに位置する東川町まで距離にして約1500キロ、酒蔵もろとも「世紀のお引っ越し」をした三千桜酒造で、今年も9月から日本酒の仕込みが始まった。同社の山田耕司社長は、「地酒というのは、地元の人がつくって地元の人に提供するのが基本」と語る。150年近くにわたってつないできたのれんを、東川町の担い手につなぐことを視野に入れている。 三千桜酒造のルーツ
そのイチゴは、「夏瑞(なつみずき)」という名前の通り、みずみずしさとしゃきっとした食感、甘みとさわやかな香りを持ち合わせた味わいだった。7月下旬、旭川空港からほど近い北海道東神楽町のホーブ本社を訪ねると、大雪山系が一望できる敷地に並ぶビニールハウス内には夏の盛りとは信じられないほど多種多様な熟れたイチゴがなり、甘い香りを放っていた。 イチゴ産地としては栃木や福岡のイメージが強いが、両県が誇る「とちおとめ」や「あまおう」といったブランドは基本的には春から初夏の年に1度収穫する
「有機農業の担い手は、『隠れキリシタン』のように点在している」。有機野菜を農家から直接買い、個人向けに定期宅配する坂ノ途中(京都市)の小野邦彦代表取締役は、欧州などに比べてなお圧倒的少数派(耕地面積に占める割合は0.6%、2021年)に属する日本の有機農業の生産者をこう描写する。 坂ノ途中は設立から15年と、ベンチャーとしてはそれなりに社歴が長い部類に入る。取引農家は関西を中心に400軒ほど。契約している生産者のうち、およそ8割が新規参入組というのが特徴だ。環境への負荷を減
交通の便はよいとはいえない。名古屋から電車と車を乗り継いで2時間近く、そのリゾート施設はようやく姿を現した。カーブのある山の坂道を登っていくと大きな三角屋根で覆われた建物が目に飛び込んでくる。芝生には家族連れが思い思いに座ってくつろぎ、三角屋根の下では朝どれの鮮魚や野菜が陳列され、地元の海女さんや生産者が接客している。各地のみそを量り売りする店舗は、まるでジェラート店のような洗練された空間。「食の一大テーマパーク」をコンセプトとした「VISON(ヴィソン)」は、山がまるごと集